蜘蛛の目

 

今朝 蜘蛛を殺した 塵紙と綿埃の軽さで

目が離せないから消えてくれない

あの時に語った言葉達は今は思い出せない

目じゃ話せないから言葉をつかうのよ

 

陽のあかりがこぼれるトイレの窓

目の周りかぶれる昨日の夜

ただ泣いて泣いて泣いて少ししたらね

またぼうっとしてた

 

今朝 蜘蛛を殺した 水回りのシンクの隙間から こぼれてる食べこぼしのにおい

あの時は躱した言葉達が希望を捨てきれずに このだれかが喋り出すのを待ってる

 

あたたかい陽の光 トイレの窓

覚えても忘れる 頓知と嘘

ただ泣いて泣いてまた少ししたらね

ほらぼうっとしてた

 

大切なこと 忘れないで

なにか違っても君は死なないで

泣いて泣いて泣いて少ししたらね

ほらぼうっとしていて

 

ただぼうっとしていて