春風に疲れて

 

 

人気のない午後の商店街を歩く

こういうのが似合うのは

あいつだったな

傘も持たず雨が降れど笑いながら

手を降って消えてゆく帰り道

 

今だから言えること

お前はどうしたかったんだ?

そんなの聞けるわけないよな

 

誰も悪くはないさと言って

消えたけど本当のところ何ひとつ、

春は新たな息吹に乗って

日々が淡々と過ぎてゆく

吹かれたんじゃない、

疲れていたんだろ

 

 

うら淋しい路地の捨て猫に気づく

そう言えば拾われた一人だったな

 

今だから言えるけど

お前はどう思っていた?

俺は友達のつもりで、

 

 

別にあの日の出会いじゃなくて

音楽を作らないような お前でも

俺は仲良くなれたと思う

春に連れられて二人

別れたんじゃない、

出会えていたんだろ

 

 

いつか向こうで会うさと言って

手を降った お前のことだ

向かうなら

少し遅れるくらいで丁度いい

俺たちはこの季節

起きれたためしがない、

そうだきっと間に合わない

 

疲れたんじゃない

吹かれていっただけ