綺羅びやかに踊る乙女
手放すほどに傍に溢るる
されどつかめぬ陽炎で
揺らめく幻 消えゆく青い炎
君の目の裏にある色
向こう側 心地良い場所から
甘く香るその白い首筋
ほどく昨日の名残り
絶えまない葛藤 その心模様
彼は知らずに黙ってる
緑色の月とざらつく肌
掠れる声で歌う
痛い鼓動
あの娘を照らす月の光が
どうか心を暴きませぬよう
誰かを許す祈りの鐘が
獲物を射殺す音の矢にならぬように
綺羅びやかに踊る乙女
まことしやかにうそぶかれてる
煙に巻かれた火の下へ
道行く半ば 途切れた遠い明日
いつか思い出したあの日の
不幸拭うような こんな窓際
白い壁 閉め切った部屋で
細い希望の光
やるせない表情 その瞳すら
夜風が通って膨らんだ
また吐き出す風と冷たい雲
こぼれ落ちた孤独も
拾ってよ
あの娘の抱く夜の匂いは
消えぬ痛みだと忘れなきよう
独りを癒やす祈りの風が
温もりを纏う音の中 笑うように
あの娘を照らす月の光が
どうか心を暴きませぬよう
誰かを許す祈りの鐘が
獲物を射殺す音の矢にならぬように
音の中 笑うように